アルコール性認知症の特徴と原因 - 高齢者とアルコール

アルコール性認知症の特徴と原因

アルコール性認知症とは、名前の通りアルコールが原因と推測される認知症のことです。お酒を飲み過ぎると認知症を発症するリスクは高まりますが、適量であれば認知症を発症するリスクが劇的に高まるなんてことはまずありません。しかし、アルコール依存症などの理由でお酒の飲み過ぎが当たり前になっている場合、アルコールが原因のアルコール性認知症を発症する可能性は大きく高まります。

一般的な認知症は脳の機能低下により起こりますが、アルコール性認知症の場合はお酒の飲み過ぎなどにより脳梗塞を発症したり、栄養障害を起こしたりした結果として起こる脳の萎縮が直接的な原因です。栄養障害とは、具体的にはビタミンB1の不足を指しており、ビタミンB1は体内にあまり蓄えられないという特徴を持っています。ビタミンB1は脳などの神経を維持することに大きく関係しているため、ビタミンB1が不足すると認知症やアルツハイマー病のリスクが高まるわけです。

厄介なことに、ビタミンB1は体内のアルコールを分解する際に使われるので、お酒を飲む機会が多いとビタミンB1が慢性的に不足する状態になりかねません。ビタミンB1は肉類を始めとする色々な食べ物に含まれており、極めて摂取しにくい栄養素ではないものの、ビタミンB1不足を根本的に改善するためにはお酒をやめる必要があります。認知症を引き起こす要因はストレスや睡眠不足を始めとして色々ありますが、アルコールは特に危険なので一定の距離を保たないといけません。